夜まで待てない
家に帰った私は部屋の片付けをした。
持って行く荷物と捨てる物に分けて、後はごみ出しの日に捨てる物を捨てるだけとなった。
自分の部屋がダンボールとゴミ袋でいっぱいになってしまった。
ゴミ袋を下に持って行き、月曜日の朝に出せるように外の邪魔にならない所へ置いた。
その後は夕食の準備をしているお母さんの手伝いをする為にキッチンに立った。
「私も手伝うよ!」
「ありがとう!じゃあ野菜を切ってちょうだい。」
「うん!」
私は野菜を切り、お母さんは洗い物をしつつお鍋の具材が煮えてるか確認をしている。
料理も終わり、今日は仕事に行っていたお父さんも帰ってきて、テーブルに作った料理を並べた。
冷蔵庫から缶ビールを出してお父さんに渡し、私も缶ビールを持って座った。
お母さんもテーブルに座り"私も飲むから待って"と言って急いで冷蔵庫から缶ビールを持って来た。
「乾杯!」
皆でそう言って一口飲んだ。
やっぱビールは最高だ!
「優子!」
「ん?」
「これはほんの気持ちだから足しに使いなさい!」
そう言ってお父さんは私に白い封筒を渡した。
何だろうと思い中身を見るとお金が入っていた。
「えっ!!こんなに沢山…」
「羽月くんと一緒に住むといっても家賃も光熱費も食費だってかかるだろ?優子の事だから貯金は少なくてもするだろうし、新生活をするには必要な物もあるだろうしそうなれば食事を我慢しかねないだろ?そうならない為にも食事はちゃんとするようにな?たまには羽月くんもつれて一緒にご飯でも食べにこい!」
「お父さん…」
「羽月くんはお父さんにとっても息子みたいなもんだし、羽月くんのお父さんは単身赴任中でお母さんは看護師だから忙しいだろ?夜勤の時は羽月くんは外で食べたりコンビニやカップラーメンだったりだと羽月くんのお母さんがうちの母さんと会った時に話してたらしい。優子と一緒に住む事を聞いた羽月くんのお母さんは逆に感謝してたぞ?優子ちゃんなら料理も得意だし心配いらないって。だから料理も優子がちゃんと作ってやるんだぞ?」
「おばさんがそんな事を…まぁ料理は得意だし頑張るよ!」
確かに羽月は小さい頃はよく家で夕食を食べてたのを思い出した。
おじさんも仕事が遅かったし、おばさんも夜勤だったりでお互いの両親が仲良かったのもあるから羽月が一人じゃ可愛そうだからと言って夕食やお風呂まで入って家に帰ってたもんね。
いつも良くしてくれるからとおばさんが休みの日はケーキやお菓子なんかくれたり、おじさんが休みの日はお兄ちゃんも一緒に遊園地に連れて行ってくれたりしたっけ。
そんなおじさんも仕事の関係で一年前から単身赴任になって二、三年は戻ってこれないらしい。
羽月は一人っ子だし、おばさんも羽月の体は心配だもんね。ここは女の私が料理を頑張らないとね。