次期社長の甘い求婚
「本当だよー、私もびっくりした! 一瞬誰だか分からなかったくらいよ」

「メイクを変えた?」


出勤していた他のふたりの女性社員ふたりも声を掛けてくれて、ますます恥ずかしくなってしまう。


そういえば今日は、メイクさんに化粧してもらっていたんだった。


その後も出勤してくる同僚達に誉めてくれたり、ちょっぴり嫌味を言われたりしている中、いよいよ鈴木主任が出勤してきた。


「おはようございまーす……て、えぇっ!? 小野寺さんどうしちゃったの!? 今日、すっごい綺麗だよ」


出勤するなり、鞄を手にしたまま駆け寄ってきた鈴木主任は、恥ずかしがる様子も見せず、興奮気味に「綺麗だよ」と言ってきた。


それが素直に嬉しくて、口元は緩んでしまう。


「あっ、ありがとうございます」

「小野寺さんは元々美人さんだったもんね。けれど化粧ひとつでもっと綺麗で美人さんになっちゃったね」


ニコニコと笑いながら褒め称える鈴木主任に、周囲も呆れたように「始まったよ」とか「主任の褒め殺し攻撃」なんて言いながら、からかい始めた。


いつもの庶務課だ。
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