次期社長の甘い求婚
ちょうど信号は赤に変わり、神さんは眩しいくらいの笑顔を向ける。


「きっと美月も楽しめる場所だと思うよ」

「そう、ですか。それは楽しみです」


慌てて前を見据え、返事をするだけでいっぱいいっぱいだ。


本当に私ってばどうしちゃったのかな。

あれほど興味がなかった人なのに――……。


青信号に変わり、運転に集中している神さんの横顔を盗み見してしまう。


好きな人は? って聞かれたら、やっぱりまだ鈴木主任だと答えてしまうと思う。

好きって感情は、そう簡単に消えてくれないもの。


今だって鈴木主任がいよいよ結婚しちゃうんだって思うと、哀しいし切ない。


でも、なんでかな?


それとは別に神さんのことが気になってしまう。

もっと彼のことを知りたいと思えてしまうんだ。


その後も神さんと時折会話を楽しみながら、車に揺られていった。



「ここ、ですか?」

「そ、ここ」


あれから高速に乗り車を走らせること約二時間。
やって来たのは、最近リニューアルオープンされたばかりの水族館だった。
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