次期社長の甘い求婚
だったら言えることはこれだけ――。


「私も水族館、久し振りに来たのですごく楽しいです。……なので残りもめいいっぱい楽しみましょう」


神さんにとって初めての水族館。

少しでも楽しかったと思ってもらいたい――そう思った。


笑顔で伝えると、神さんは次第に口元を緩ませた。


「じゃあとことん付き合って。遠慮なく楽しませてもらうから」


そう言うと神さんは私の手を取り立たせると、颯爽と歩き出した。


その後残りの展示物を堪能し、イルカやアシカのショーを楽しみ水族館を出た頃には、すっかりお昼を過ぎた頃だった。


「やべ、だいぶ水族館楽しんじゃったな。悪い、お腹空いたよな?」


手を繋いだまま駐車場へ向かい中、時間を確認すると神さんは申し訳なさそうに謝ってきた。


「いいえ、大丈夫ですよ。それに楽しかったですから」


本当に楽しかった。
こうやって今も手を繋いでいることも、自然に思えてしまうほど――。
< 157 / 406 >

この作品をシェア

pagetop