次期社長の甘い求婚
「そっか、ならよかった。じゃあ遅くなっちゃったけど、お昼にしよう」

「はい」


安心したように微笑む神さんにつられるように、私も笑みを零してしまう。



「食べるところ、目星つけておいたんだけど、そこでもいい?」


そう言って連れてきてもらったのは、地元では有名らしいオープンカフェ。

何度かテレビにも紹介されたことがあるお店だ。


もう十三時半を過ぎようとしているのに、さすがは人気店だけあって行列ができていた。


「マジかよ、こんなに並んでいるとは……」


目の前の行列は予想外だったのか、神さんは足を止め唖然と見つめている。


「悪い、人気の店ってだけで来ちまったけど、まさかここまで並んでいるとは思わなくて……」


謝ってきた神さんに、キョトンとしてしまう。


「え、全然ですよ。人気店なので、これくらいの行列は覚悟の上です。早く並びましょう」

「あっ、あぁ……」


急かすように行列の最後尾に並ぶと、神さんはなぜか不思議そうに私を見つめてきた。
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