次期社長の甘い求婚
無邪気に頬を緩ませ笑う彼の笑顔に、また胸がギュッと締め付けられてしまう。


「そっ、そうですか」


慌てて目を伏せるも、胸の高鳴りは収まってくれそうにない。


「今日は初めての体験ばかりで楽しいよ。……美月と一緒だから余計に」


あぁ、もう。お願いだからやめて欲しい。
それ以上ドキドキさせるようなことを言わないで。


その後、どうにか胸の高鳴りを沈ませ並ぶこと約一時間、悩んだ末に頼んだ料理にふたりで美味しくいただいた。


それから神さんのエスコートの元、映画を見て夕食はオシャレなフレンチレストランへ連れて行ってくれた。

この前のような敷居が高いお店ではなく、カジュアルな服装でも入れるようなお店で、変に緊張することなく食事を楽しめたと思う。


食後に運ばれてきた珈琲を啜っていると、おもむろに神さんが口を開いた。


「今日は付き合ってくれてありがとうな。……すっげ楽しかった」


面と向かって改まって言われてしまうと、照れ臭くもあり妙にかしこまってしまう。


「いいえ、こちらこそありがとうございました。……お詫びのはずなのに、色々と決めていただいたり、奢っていただいてしまって……」


お礼を言うのは、私の方だ。
< 160 / 406 >

この作品をシェア

pagetop