次期社長の甘い求婚
「夕食はすき焼きか」

「はい、すき焼きってひとりじゃできないじゃないですか。だから神さんとふたりで食べたいなと思いまして」

「そうだな」


これも夢だった。
ふたりで鍋をつつき合うのも。ひとりじゃ食べられないし、ふたりで食べるからこそ美味しいと思うの。


高級な牛肉は美味しくて、ふたりでお腹がいっぱいになるほど食べてしまった。


その後は昨夜同様、神さんが一緒にお風呂に入ろうと言い出し、必死に抵抗したものの叶わず。

緊張しながらも初めて一緒に入ることになってしまった。


「やっと夢が叶ったよ。美月とお風呂に一緒に入る夢が」


そう言って浴槽の中で背後から私を抱きしめる神さん。

それだけで既にのぼせてしまいそうだ。


首元に顔を埋められ、神さんの吐息を感じてしまいくすぐったい。


「神さん、くすぐったいです」


身をよじるもさらに強い力で背後から抱きしめられてしまう。


「わざとだよ」

クスクスと神さんが笑うたびに心臓が跳ねてしまう。
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