フェルラリア魔法学園
「………え?
お父さん、どうしたの?
魔女なんているわけないじゃん。
あれ、今日ってエイプリルフールだったっけ?」

あまりにも父が真剣な表情で言ったので少し動揺してしまう。


「今まで言えなかった。
いや、言わなくてもいいと思ってたんだが、そういう訳にはいかないらしい。」

そして、父は母の話を話し始めた。

「母さんは、とても強い魔女だった。
母さんが人間の世界に留学していた時に、父さんと恋に落ちて、そして椿が生まれたんだ。だから椿は魔女と人間のハーフなんだ。」

「魔女と人間のハーフ…」

「お前が生まれて、父さん達はとても幸せな日々を送っていた。だけど、少し昔、魔法を悪い事に使う奴らが現れて、そいつらと戦うために、母さんは魔法界に帰った。そしてその戦いで母さんは…」

「お父さん………」

父は、泣いていた。
私は父が泣いているところを生涯であと1回だけ、見た事がある。
お母さんが死んだ時だ。

「お前だけは魔界に行かせるもんかと思って、人間の世界で育ててきたが、どうも、そうはいかないらしい…」

そう言って父は私に手紙を渡した。

「……冬野 椿様
あなたにフェルラリア魔法学園への入学を許可する………?」


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