毒舌王子に誘惑されて
「俺は会えなくなるの寂しいんだけど」

「大丈夫だよ! 仕事が早く上がれた日はここに来るからさ」

「そんな事言って、美織さんいつだって仕事が最優先だしね。何回デートをキャンセルされたか・・」

俺はわざとらしく溜息をついてみせる。

「うっ。それを言われると・・頑張りますとしか言えないけど」


口籠もる美織さんを抱き寄せて、甘い唇を奪った。

「だからさ、仕事が遅くなる日も徹夜明けでも、いつでもここに帰ってきてよ」

「へ?」

美織さんの形の良い瞳が大きく見開かれて、俺を見つめる。


「一生、俺のところに帰ってきて」


一瞬の間があって、

ようやく意味を理解したらしい美織さんの顔がくしゃりと歪んだ。
俺の大好きなその瞳から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。


この瞬間に、

俺の恋心は愛へと形を変えた。


彼女の笑顔も、泣き顔も、

一生、俺が守っていこう。


その強気な瞳がいつまでも色褪せないように。

END
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