毒舌王子に誘惑されて
月曜日の定例ミーティング。

「この企画を私にですか?」

高田編集長の言葉に、私はとても驚いた。こんなに早くに企画を任せてもらえるとは思ってなかったから。

「うん。畑が違うとはいっても、美織ちゃんは編集としてのキャリアはあるんだし、この企画はうちのメンバーじゃ美織ちゃんが適任かなと思って」

編集長に渡された資料に目を通す。
テーマは『ヒートアップするお受験妻、犠牲になる僕らと我が子』

お受験に夢中になる妻に振り回されて苦労する夫の体験談を記事にする企画のようだ。
男性向け雑誌なので、夫目線なところが面白い。


女性誌にもよく取り上げられるテーマだし、確かにこれなら私も作れそうだ。


「ありがとうございます。 頑張ります」

「頼んだよ。 月刊誌とはスケジュールが全然違うから、そのへんは葉月にフォローしてもらって」

「はい!」

嬉しい。

連日の張込みで身体はくたくただけど、久しぶりに気力が湧いてくるのを感じる。

初の担当企画、頑張ろう。


「あんまし張り切り過ぎないで下さいね」

いつもの葉月君の嫌味も気にならなかった。

「今張り切らないで、いつ張り切るのよっ」

私は高らかに宣言した。
< 17 / 100 >

この作品をシェア

pagetop