毒舌王子に誘惑されて
「どうでしょうか?」

私はお受験企画の草稿を編集長に確認してもらっていた。

これは第二案だ。 初めに見せた案は散々な評価で、全ページ書き直しを命じられた。

編集長は私にはキャリアがあると言ってくれたけど、サブリナの時とは求められるものが全然違う。

これまでの経験は全て忘れて、新人になったつもりで私はありとあらゆる週刊誌を読み漁って勉強した。

おかげでエロ記事にもすっかり耐性がついたし、佐藤さんの巨乳談義にもついていけるようになってきた。


「うん、いいんじゃないかな。最後に妻側の主張が入ってるのがいいね。
よし、これでいこうか」

文章に目を通した編集長は、にっこりと微笑んでそう言ってくれた。

「ありがとうございます!!」


ようやくGOサインを貰えたことが嬉しくて、ついつい口元が緩む。

ニヤニヤしながら自分の席に戻ると、隣の葉月君と目が合った。

「合格もらえてよかったですね。鬱陶しいくらいに張り切ってましたもんね」

相変わらずの憎まれ口だけど、葉月君には全面的に手伝ってもらったし・・。

「うん、すっごく嬉しい。色々フォローしてくれてありがとう」

私の素直なお礼の言葉がよっぽど意外だったのか、葉月君はバツが悪そうに視線を逸らした。
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