毒舌王子に誘惑されて
葉月君の言ってることは正しい。
この場の全員が思っているであろう事を代弁しただけだ。

自分の言動がどれだけ幼稚かってこともわかってる。

わかってるけど・・


夢だったサブリナの編集長への道が突然閉ざされ、慣れない週刊誌での仕事。

会社員なんだから当たり前。

そう自分に言い聞かせてみても、根が頑固な私はなかなか割り切ることができなくて・・

落ち込む気持ちに蓋をして、見ないように考えないようにしていた。


企画を任せてもらえたことで、やっとその蓋に鍵をかけることが出来たのに。


こんな些細なことで、蓋は空いてしまった。


それでも何とか、指示された仕事だけはミスのないようにこなした。

頭は空っぽで身体だけが動いているような感じだった。


全員がほぼ徹夜状態で作業を続け、明け方には水田 玲子離婚の記事の入稿が終わった。


編集長から今日は帰って休んでいいと指示が出たので、皆が一斉に帰り支度を始める。

ふと携帯に目をやると、メール受信を知らせるランプが光っていた。

サブリナの編集長からだった。

『専属モデルのプロフィールブック、佐藤持っていってないか? もしあったら、時間の空いた時で構わないから届けてくれ。 頼む!』

サブリナで使っていた資料は全部置いてきたつもりだけど、間違えて持ってきたかな。

引き出しを開けて、資料を一つ一つ確認する。

「あ・・・」

普段あまり見ることない福利厚生の分厚い冊子の奥に、プロフィールブックを見つけた。
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