恋に目覚めたシンデレラ
あの部屋にはなかったんだ。
「焦りました。スマホやお財布も入っているからちょっと心配になって……」
「そうですか。こちらの判断で勝手に置場所を変えてしまってすみませんでした。
さあ、どうぞ食べて下さい」
「いただきます。おいしい……これあなたが作ったんですよね。こんなに手の込んだお料理を朝から作れるなんて凄いですね」
「俺は料理は作れないんです」
作ったのはこの人じゃないなら。
「それなら誰が……」
「家政婦が昨夜、作ってくれたものです」
「家政婦さんですか?」
「いつもならこの時間には来てくれているのですが今日は彼女、小野寺さんの月に一度の休みでここへは来れないからと昨日帰る前に作っておいてくれたものです」
家政婦さんがいたんだ。
こういう広い家ならメイドとか家政婦がいるのはおかしいことじゃない。そういう人を雇えるって事はこの人やっぱりお金には困らない人なんだろうな……。
こんな豪邸に泊まるなんてもうないだろう。一生に一度の経験しかも朝からこんな豪華な食事まで……どうせだから良く味わって食べたい。