恋に目覚めたシンデレラ
「小野寺さんには普段、午前6時からお昼までいてもらいその間に朝食の用意とお掃除等の家の家事をやってもらっているんです。その後は一度帰って貰ってまた5時半頃には夕食の用意に来てもらってます」
こんな広い家で朝早くから来て一人でお掃除や食事の用意なんて大変そう……。
「一度帰ってまた来るんですか?大変そうですね」
「小野寺さんの家はこの家の隣にあるんですよ。だから鍵も渡してあります。ここの家政婦をお願いする条件として隣に移り住んで貰いました。一応防犯設備は整っていますが時には長期的に留守をすることもあるので近くにいてくれた方が都合がいいんですよ」
隣の家も土地もこの人の物って事……相当の財産持ち。
やっぱり住む世界が違いすぎる。
でも良かったのかな……この家の内情なんて私のような他人に話してしまっても。
「関係者でもないのに私に家政婦さんの事とか話しても大丈夫ですか?」
「あなたは無関係ではない」
「それはどういうことですか?」
「美術館で一緒に見て廻りレストランで食事をしました。それに昨夜、ここに泊めたんです。だから無関係ではないです」
「でも私は家族ではないです。やっぱり関係があるとは言えません」
「細かい事を気にするんですね。とりあえず食事を済ませてしまいませんか?
済んだら返すものもありますし」
そうだバッグやスマホ返してもらわないと……それからこの人とは本当に関係などなくなるのだから。
暫く食事に専念することにした。
食べ終わり最後に食事と一緒に用意されていたお茶を飲んだ。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
男性は席を立つと。
「少しお話しをしましょうか」
と別の部屋へと葵を案内した。
「暫く、ここで待っていて下さい。あなたのバッグとストールを持ってきます」
さっき食事をした部屋も広かったけど今いる部屋も凄く広い。
この家は全体的に白を基調とした内装で清潔感がある。
暫くして男性が戻って来た。
「昨日のことを説明した方がいいですよね?」
「ぜひ、お願いします」