恋に目覚めたシンデレラ


部屋の中に入って行くと滉さんはソファから体を起こした。


「眠れませんか?」

滉は眠ってはいなかった。


「一緒にいて下さい」

ソファに近づこうとすると手で制された。


「……これでも我慢しているんです。葵さんの覚悟が出来るまで待つ約束を守りたい。
覚悟ができてないなら向こうの部屋に戻って下さい」


戻ったらまた一人になってしまう。
戻るのは嫌だ。
葵は1歩足を踏み出した。


「葵さんっ」


「滉さんに一緒にいてほしいんです」


「自分が何を言っているのか解っているんですか?……これ以上近付いたら約束を守る自信がない」


滉さんの言ってることはちゃんと解っている。
それでも……。
滉さんの近くに行きたい。
心のままに体は動く。



とうとう滉の目の前まで来てしまうと葵を引き寄せた。

< 164 / 202 >

この作品をシェア

pagetop