恋に目覚めたシンデレラ
滉の言葉に嘘はないように思えた。
でも自分に自信のない葵にはやっぱり解らなかった。
滉がどうして自分を恋人として望むのか。
「たしかに性急過ぎましたね。
それでは先ずは友達のような関係から始めるというのはどうですか?」
友達でも恋人でも葵にとっては変わらない。どうしても腰が引けてしまう。
「ごめんなさい、友達も私には無理です」
「本当に?」
「ごめんなさい」
「そうですか……」
滉と葵の間になんとも言えない空気が流れた。
気を悪くさせただろうか……
それでもこれで良かったのだと思う。他にこの人に釣り合う素敵な女性がいるはず……
「やっぱり諦められない」
てっきり解ってくれたのだと思っていたのに……
滉は納得などしていなかった。
「このままあなたを帰したらきっと後悔する。どうかOKしては貰えませんか?」
「私よりも素敵女性は他に幾らでもいると思います。私はあなたには釣り合いませんよ」
滉は葵の手をとるとしっかりと掴んで離さない。おまけに強い眼差しを葵に向けて来た。
葵はまるで囚われたように視線を逸らす事ができない。
「葵さんが良いんです」
「私は……」
かなり強引な滉にとうとう根負けしてしまい。
友達からという提案にのることになってしまった。
このあとアパートまで送って貰う事になり案内されるまま玄関を出て。
それから外から見てもやっぱり大きくて立派な豪邸で凄いと圧倒された。
玄関前には車が停めてあり横には昨日の運転手が立っていた。
「どうぞ乗って下さい」