恋に目覚めたシンデレラ
「確かに残すのはもったいない。これを食べ終わるまで待ってて下さい」
「解りました」
どうしよう。
滉さんとの間の空気が気まずいものに変わってしまった。
私のせい。
イライラしてあんな言い方しちゃって……自己嫌悪。
滉さんの顔見れない。
「葵さん」
呼ばれて顔をあげた。
「さっき怒っていた理由を教えてくれませんか?
原因は俺ですか?」
「……」
言えない……。
他の女性客達が滉さんを見るのは嫌だなんて。私だけを見ていてほしいなんて言ったら心の狭い女だって滉さんに解ってしまう。
「不満があるなら言ってほしい。話し合って解決できるならそうしたいんです」
滉さんに八つ当たりなんてしてサイテー。
自分でもどうしようのない気持ちをどう説明していいか解らない。
「不満なんて……ないです。怒ってませんよ」
結局言えなかった。
滉さんは訝しげに目を細め探るように私を見たから。
内心ドキドキしながら滉さんを見返す。
暫く続いた後
いったん視線をはずした滉さんが次に私を見たときにはイケメンスマイルを浮かべていた。
「……そうですか。俺の思い過ごしだったようですね。葵さんのいった通りに最後まで食べました。これでいいですか?」