恋に目覚めたシンデレラ

さっきはイライラしてしまったし……今は店員に笑顔で応える滉さんにショックを受けてしまった。

私は勘違いをしていたんだ。
この笑顔を見られるのは私だけだなんて勝手に思い込んでた。
あのスイーツは本当に美味しかった。
滉さんのもきっと美味しかったんだと思う。
それに対してのこの笑顔だって解ってるけど。


他にもこの笑顔を見ている人がいるのかな。


「葵さん?外に出ますよ」


「はい」


「ありがとうございました」


店員の声を背にカフェを出た。


「三枝、この後は美術館に行ってくれ」

車は美術館に向かった。
入り口に横付けした車から降りて中に入っていった。


「暫く単独行動にしませんか?」


「えっ……一緒に廻らないんですか?」


「これから館長と話しもあるし葵さんはゆっくり見て廻って下さい」


「……解りました。館長さんとお話ししてきて下さい。私は適当に廻っています」


滉さんと離れて館内を廻り始めた。
閉館まで後、1時間半ぐらい。
今は館内にいる人もまばらであの絵の前にいても邪魔にはならないかもしれない。







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