恋に目覚めたシンデレラ


玄関にたどり着き中に入ると葵がいた。


「どうしたんですか?」


「滉さんがなかなか来ないからちょっと心配になって……」


「別に葵さんが心配するようなことは何もないです」


「でも昨日……怒っていたから」


昨日……気にしていたのか。


「今度は三枝と喧嘩を始めるとでも思いましたか?」


「そんな事は……」


「三枝は矢嶋とは違う。信頼しているしバカな事はしない。仕事の話しをしていただけです」


「すみません。余計な心配でしたね……」


泣きそうな顔をしている。


「待って下さい」


去ろうとした葵を引き留めた。


「葵さん……」

立ち止まってくれたけど背中を向けたままこっちを向こうとはしない。


「三枝さんに比べたら、私なんて全然ダメですね……」


「えっ……」


「今日の私はどうかしているんだと思います。
三枝さんにまで……いつかは……」

背中を向けているせいか最後の方が聞き取れなかった。

「葵さん、もう一度言ってくれませんか?」


「変に勘ぐるようなこと言ってすみませんでした」


「葵さん!!」

葵は走るように奥の方に行ってしまった。



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