恋に目覚めたシンデレラ

「矢嶋くんのこと今はまだ怖い。
でもいつか時間が経ったらきっと大丈夫になると思う」


「倉橋が大丈夫になってももう多分逢えない。今日が最後になる」


「……えっ、どうして!だって部署が変わってフロアは変わるけど会社にいればどこかで逢うことはあるでしょ」


「辞める」


「……やめる、会社を辞めるの?」


「あの時、御曹司ともめていたところを課長に見られていたんだ。
日曜日に呼び出された。一応部署内で俺は戦力になっていたはずだし課長も目をかけてくれていた。
でも、さすがに御曹司ともめたとあったら会社にも影響が出ると思ったらしい」


「だから異動……でもどうして辞めるの?」


「御曹司に勝ちたいんだ」


辞めることがどうして滉さんに勝ちたいになるのか……よく解らない。



「最初、御曹司って見せかけだけのヤツで中身は甘やかされた、お坊っちゃんだと思ってた。でも違ったんだあの時のあいつは本当におそろしかった。
倉橋から引き離されて睨んできた時、一瞬で殺されるかと思った」


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