恋に目覚めたシンデレラ
「私は晃さんの部屋に寝かせて貰ったんですか?すみません晃さんの部屋を取っちゃうなんて」
「この家は二階にもゲストルームが幾つかあります。この間は空いてるゲストルームで寝ましたから葵さんが気にする必要はないです。
それから電話の事ですがここを押せば繋がります」
良かった滉さんとは別の部屋で過ごしたんだ。
一緒の部屋にいたのではないと解り葵はほっとした。
「解りました。用があれば使いますね」
「夕飯の時間になったら呼びます。それまでゆっくりしていて下さい」
やっぱり広いなぁ~。
家具が同じ配置でも広さが違うとゆったりと使えそうだと感心した。
着替えのためクローゼットに置かれた洋服ダンスを開く。
それから部屋着に着替えようとして手を止めた。
「これ着てっちゃ、まずいよね……」
このあと晃さんと夕ごはんを食べるのにこの部屋着じゃダメだ。
改めてタンスの中を探しスカートや細身のパンツ、ブラウスやカーディガンなんかの出して見る。
「あ~、こんなんじゃダメ」
今までおしゃれな服なんて着る機会が無かったしあまり持ってない。
さんざん考えて……ふと思った。
ここはレストランでもないしこれからデートでもない。滉さんが一緒だからって無理におしゃれをしなくても普段着でいいのでは。
これで良いか。
スカートはやめて細身のパンツに長袖の上に長めのカーディガンを着るとやっと落ち着く。
疲れた。
散々だったし……泥棒に入られたと勘違いして焦るし……暫くは動けそうにない。
クッションにもたれて目を瞑ると瞼が重く感じた。