恋に目覚めたシンデレラ

今日、ここで私も一緒に食べると知っていて作ってくれたのか……不思議に思った。

「家政婦さんは私の分までわざわざ作ってくれたんですか?」

「彼女には今日からあなたをここに住まわせると言っておいたので二人分作ってくれたようです。
本当はあなたと顔合わせがしたかったようで帰る時間をずらして待っていたのですが彼女にも家族がいるしあなたを迎えに行くときに帰って貰いました。次にここへ来た時にあなたとは引き合わせます」


わざわざ帰る時間をずらして私のことを待っていてくれたなんて知らなくて家政婦さんには申し訳ないことしてしまった。

「小野寺さんの事は気にしなくても大丈夫だと思いますよ。明日の顔合わせを楽しみにしていましたから」

お茶を煎れると言った滉に葵は自分にさせて欲しいと頼んだ。

「私にさせて下さい」
滉はとても驚いた顔をした。
余計な事だった?
それともお茶なんて煎れそうにないと思っていたのか……

「葵さんがそう言ってくれるのならお任せします」


お茶を煎れて「どうぞ」滉の前に湯飲みを置いた。


「ありがと。葵さんにお茶を煎れて貰えるなんて思いませんでした。今まで交際した何人かの女性は自分で何かしようとは思わない女性ばかりでしたから」

滉さんには付き合ってた女性が何人も居たんだ。
その女性たちの事が気になったしなぜかモヤモヤした気分になる。
どうしてこんな気分になるのかは葵にも解らない。

「どうして、別れてしまったんですか?」

「彼女たちは俺自身を求めてくれてたのではないのだと解ったからです」

西園寺家の御曹司……誰もが羨む環境にいても外からでは解らないこともあるのだろう。
滉さん辛そう……その女性達との間で傷ついたりしたのかもしれない。











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