夏の嵐と笑わない向日葵


翌朝。


「はぁ!?」


嵐君の叫び声で目が覚めた。


「ニャー!」


ノラも、まるで「騒々しいな」と言わんばかりに抗議の声を上げる。



嵐君はというと、スマホを食い入るように見つめていた。



「嵐君、どうかした?」


手で、寝癖の強い髪を押さえながら、あたしは体を起こす。すると、嵐君がため息をついた。



「悪い、向日葵。嵐が来るわ」

「うん?嵐君が来る??」


嵐君、何言ってるんだろう。
というか、寝起きで頭が回らないや。


「いや、台風のほうの嵐」

「え、台風くるの??」

「まぁ、違いない……」


嵐君にしては珍しく、げんなりしている。
あたしは、そんな嵐君に首を傾げた。











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