夏の嵐と笑わない向日葵
「俺の高校の友達、こっちに来るらしい」
「え、どうして?」
東京の嵐君の友達がこっちにくる?
旅行先がたまたまここだった……とか?
「いや、俺がここにいるからだな。あいつら、絶対にこの家に押し入るつもりだろ」
「嵐君、学校で人気者そうだもんね」
なんと言うか、台風の目??
皆が、嵐君の明るさに惹かれるのかもしれない。
現に、あたしは嵐君の傍にいて、こんなに楽しくて、惹かれているから。
「嵐君の友達…遠くから来てくれたんでしょう?なら、泊まってもらうべき」
「向日葵、あーでも、俺があいつらに向日葵を見せたくねぇーんだよなぁ。向日葵可愛いし、向日葵にちょっかい出されたりしたら嫌だわ」
え……?
嵐君のしぶる理由ってあたしなの??
「こういう、寝ぼけてる可愛い向日葵を見るのは、俺だけで十分」
嵐の手が、あたしの頬に触れる。
そして、愛しむように優しく撫でた。