夏の嵐と笑わない向日葵


いつから、こんな寂しい場所になったんだろう…。


そんな事を考えながら、あたしは目を閉じる。
このまま眠れたら、幸せだなぁ…と思った。


そして、いつの間にか微睡みの中に落ちていく。



「おい……こんなとこで風邪引くぞ?」


誰かがあたしの髪に触れている。
そんな感覚で意識が浮上してきた。 


「綺麗な髪だな……」


誰……?
なんて優しく触れるんだろう。


その気持ちよさに、あたしはまた眠ってしまいそうになる。



「早く、笑ったとこが見てーな」


え……?
その言葉の意味が分からない。


「向日葵は、笑った顔がめちゃくちゃ可愛いのによー」


あたしの笑った顔…??
あれ、こんな会話、前にも聞いた覚えがあるな。
いつだったっけ…。













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