With you.
「俺、櫻井陽人っていいます。」

「私は天宮雪。宜しくお願いします。」

共通の話題や、音楽の話をしているうちに、いつの間にか仲良くなっていた。

そうそう、同い年くらいに見えた彼はどうやら25歳だそうで。
私より6歳も年上だったなんて、思いもよらなかった事実だ。

「俺、いつかユニット組みたいなって思ってて、、、。」

ユニット、、、?
ユニットといえば、昨日麻生さんからそんな様な話を聞いたような、、、。


「あ!!」
「うお、ビックリした。」
「ゴメンナサイ」

私は何故か大切に仕舞っていた名刺を出した。

「これって、有名事務所のとこじゃないですか!!!」

櫻井さんが興奮している最中、私は迷っていた。

櫻井さんと一緒に歌えてすごく楽しかった。ダンスも踊りたいと思った。

だけど、、、

「天宮さん、ここの事務所のオーディション受けるんですか?」

「えっ?」

「しかもこのオーディションユニットの、、、!!」

名刺の裏に、この間言われたオーディションの話の詳細が書いてあった。
周りくどい感じだなと呆れつつ、その名刺を見た。

「櫻井さんが受けるなら私も受けようかな。」

「ええっ!?俺次第なんですか!!!?」

「だって、もともと受けるかどうか悩んでたし、櫻井さんと歌えて、私も凄く楽しかったし、改めて音楽が好きって実感した。だから。」

そういうと、櫻井さんは笑顔になり、うなづいた。
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