イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
何度か家にも来てくれたことがあり、私と花苗にも優しく接してくれて、人の良いおじさんと印象付けられていた。

お父さんと同じ六十歳なのに、その十歳くらいは若く見える俳優さんのような外見も、昔からカッコいいなぁと思っていたっけ。よく見ればどことなく部長と似ている。

でも、お父さんの口からは“よっしー”というあだ名しか出てこないし、私も“ヨシさん”と呼んでいたから、苗字までは知らなかった。まさか同じ坂本だったとは!


「お久しぶりですー! お元気でしたか?」

「相変わらずだよ。でも最近肩が痛くて、なかなかゴルフができなくてねぇ」

「うちのお父さんもそう言ってます」


和やかに笑い合う私達。ずっと会っていなかったけれど、多少気心が知れているせいか、親戚のおじさんのような感覚で話してしまっていた。

するとお母様が、まだ玄関に立ったままの私達にスリッパを出して言う。


「ちょっとあなた、上がってもらいましょ」

「あぁすまない、つい…………零士? 何そんな隅っこで縮こまってるんだ」


不思議そうに言うヨシさんのおかげで、すっかり彼の存在を追いやってしまっていたことを思い出した。

皆で目をやると、ぽかんとしていた部長が、はっとして口を開く。


「あ、いや、ふたりがここまで打ち解けた仲だったとは……」


ちょっぴり動揺した様子の彼は珍しくて、私はヨシさんと目を見合わせて笑った。


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