イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
ようやく靴を脱いで上がると、お母様に『夕飯まだだったら、ぜひ食べていって!』と言われ、清潔感のある白いアイランドキッチンが素敵なダイニングに通された。
広々としたそこには六人掛けのダイニングテーブルがあり、すでに部長と私の分のランチョンマットが置かれている。
好きな人の実家で、付き合っているわけでもないのに食事をご馳走になるなんて、なんだかすごく不思議な気分。
「あの、本当にいいんですかね? こんなご馳走になっちゃって……」
部長のスーツの袖をちょいちょいと引っ張り、コソッと囁くと、彼は当然だというように答える。
「何としてでも呼べって言ったのは親父だし、母さんも食べさせる気満々だからいいんだよ。むしろ、そうしてくれないと俺が恨まれる」
椅子を引きながら仏頂面になる彼を見て、私はクスッと笑いを漏らした。
部長が有無を言わさず私を連れてきた理由は、ご両親にせがまれたからだったのね。でも“何としてでも”っていう、その強引さがやっぱり親子だな、なんて思ってしまう。
ほっこりした気持ちで私も彼の隣に腰掛けると、向かい側の席についたヨシさんがにこやかに言う。