イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
スッと手を取られ、自然と助手席から降ろされる。吐く息がすぐに白くなるけれど、触れた手は温かい。

それからも手を繋がれたまま、建物の方へ向かっていく。まるでエスコートされるお姫様にでもなった気分で、ドキドキしながら彼の斜め後ろを歩いていた。

目覚めたばかりだし、まだ夢の中にいるみたいに現実味がない。


建物に近付いていくと、そこは私も知っているフラワーパークだということがわかった。中には入ったことがないけれど、レンガづくりの建物がお洒落だなと思っていたところだ。

ゲートを潜ってびっくり。

ゴージャスな装飾が施された大きなクリスマスツリーや、庭園に広がる海のような青いライト、虹色のトンネルのようなアーチ……。

光の魔法にかけられたような美しい景色が広がって、私は思わず感嘆の声をあげた。


「うわぁ、綺麗……!!」

「噂には聞いてたが結構すごいな」


淡々と言う零士さんだけど、興味深げにぐるりと周りを見渡している。

そして私達は、自然と園内を同じ歩幅で歩きだした。

凝ったイルミネーションの数々を目に映していると、寒さも気にならない。ここへ来た理由も、今はどうでもよくなってくる。

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