イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
けれど、ぐびぐびとビールを喉に流し込み、ぷはーと息を吐いた彼女は、さっきまでの勢いを弱めて呟く。


「……いや、違うわ。ヤケになってただけかな。振り向いてくれない人は久々だったから」


まぶたを伏せて、寂しげな表情を見せる本庄さんを見つめていると、彼女はあっさりとこう言った。


「私ねぇ、見ての通りモテるのよ」

「でしょうね」


私もまったく異論なし。自分で言い切ってしまうあたり、さすが美人は自信があるな。

でも清々しくて、謙遜されるよりもなんだか好印象を受ける。

そんな本庄さんは頬杖をつき、どこか遠くを眺めるようにして言う。


「でもさ、なぜか自分が“いいな”って思う人には好かれないの。私が高望みしてるだけなのかもしれないけど」


その言葉も意外で、私はカクテルが揺れるグラスを持ったまま、目をしばたたかせる。


「本庄さんほどの人なら、男の人は皆惹かれそうなのに」

「だったらいいけどねー。いくらモテたって、好きな人に振り向いてもらえなきゃ意味ないわ」


フッと鼻で笑った彼女は、ウェーブが掛かった髪を手の甲で払い、ふわっと後ろへなびかせた。

その仕草と、憂いを帯びた表情がとても綺麗で、強気なだけではない彼女の魅力を発見した気がする。

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