ゆえん


「どうした? こんな時間に」

「今、話してて平気か?」

「ああ、昼飯食いに出てきてるから」

「今日、お前の仕事終わってからでもいいから会えるかな? 話したいことがあるんだ」

「急にどうした? 電話じゃ無理そうなこと?」

「ああ。重要なことだから」


電話の向こうでしばし修二が考えているのがわかるような間があった。


「……わかった。こっちに来るのか?」

「行くよ。何処に行けばいい?」

「とりあえず、東京駅に着いたら電話くれよ」

「わかった。悪いな」

「よっぽどのことなんだろうから。なんか怖いな」


笑いながらそう告げて修二は電話を切った。

冬真は理紗の目を見て頷く。


「えっ」

「これから、東京に行こう。修二に会いに」

「これから? ここは……どうするの?」


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