キミのコドウがきこえる。
「可愛くなったなあと思って」
「かわっ!?って……え!?」
「っぷ……ははっ!そんな驚かなくてもいいじゃん。ころころ顔の表情変わるのは昔と変わらないけどな。ほら、なんつうの?昔は髪の毛も短くて背も大きかったし、なんだか男みたいだったじゃん?だからなんか化粧してたら女に見えるっていうか……」
「それって褒めてるの?けなしてるの?」
「褒めてるでしょ?あ、ビールきた!」
翔太は、竜さんからビールを「ありがとう」と言って受け取ると、私に一つ手渡してくれた。
私はそれを両手で受け取った。
「じゃあ、乾杯」
翔太はそう言って私のビールのジョッキにコツンと自分のジョッキを当てると、グビグビっと大ジョッキの半分まで一気に飲み干した。
「うまい!やっぱり仕事終わりの一杯は最高!」
翔太は口の周りについた泡をお手拭きで軽くふき取ると、軽くもう一口ビールを飲んだ。
「ビールって言えばさ、こっちに来るちょっと前に向こうの方で白いビール飲んだよ」
「あ、なんか分かる!茶色いちっちゃめの瓶に入った地ビールじゃない?」
「そうそう、それ!翔太物知りだね」
「物知りっていうか、それ、地域おこし協力隊の人の発案からスタートした商品だから」