なみだ雨





午後。

お店の前に飾ってある雪だるまの上に

積もった雪を手のひらで軽く落とす。


よし、

はるかはそう呟いてゴミをはきはじめた。


「はるかちゃーん、ちょっとー」

理子の声が聞こえて、

はーい!と大きな声で返す。


ほうきを入口のそばに立てかけて

中に入ろうとした時、


「すみません」


後ろから声をかけられて振り向くと同時、

はるかの動きが止まった。




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