なみだ雨





朝。

カーテンの隙間から青空が見えた。


ご飯を作らなきゃ…

そう思って体を起こす。


頭の芯がぼぅっとして、身体が熱い。


だんだんと頭がはっきりしてきた。

ここはわたしの部屋じゃない、

そう思うと同時に正面のふすまが開いた。


「あ…」


大福の人


そう言おうとすると同時に

激しい咳が出る。


大福の人は近くによって

氷水が入った桶を側におく。


「大丈夫ですか?」


はるかの背中をさすろうと伸ばした手が

思いっきり振り払われて

一瞬何をされたのかわからなかった。



「…て」


「え?」


「こないで…!」


はるかは後ずさりをして

大福の人から距離を取った。



店員さんの手首に、赤黒い痣ができていた。



傷ついた、ような顔の大福さん。


はるかは枕を投げつけた。


大福の人がポケットから

錠剤を出して部屋を出ていった。




桶のそばに水が入ったマグカップが置いてあった。




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