美月~大切なあなたへ~
――――――――


『あ……の………え……?』




「だから…お前が好きなんだ。
結構前から…。」



『け……結構前?』



「うん。小五の時くらいかな。
小五の……終わり頃の……ドッジボールやったとき。」



ドッジボール??


何そのきっかけ?


小五の終わり頃のドッジボールって……



アバウトすぎない?




「お前は覚えてないだろうけど……」



…………………








浜本が話したことは、確かに良く覚えてない出来事で…



そんな些細な出来事で、誰かを好きになるんだなって、

ちょっとビックリした。











――日高は敵チームの外野で、俺は内野だった。

でも、俺とは遠いとこにいた。


“おーい!!そっちボールいったよーー!!”


“浜本!!後ろーー!!”


“えっ!?ぉうわっ!!”


“あはは!!避けたは良いけど、思いっ切りコケてんじゃん!!
ウケ狙い?最高~!”


――スッゲーハズかった。
そのせいでボール当られたし

“いてて……”


“大丈夫?痛くない?立てる?”


――日高は、遠いとこにいたはずなのに
すぐ駆け寄ってきてくれて、心配してくれた。


――女子に心配されるなんて、なんとなく嫌で、


“大丈夫だよ”


――本当はスッゲー痛かったのに、強がって立ちあがって逃げようとした。


――そしたらお前……


“良かった!じゃあ、外野入る前に傷口洗って来た方がいいよ。
化膿しちゃう。痛くなくても、あとで消毒しにいきなね!”


“……あぁ……”



――あんまり話したことなかったのに、心配してくれて、笑顔むけてくれて……


――かなり嬉しかった。








なんて言えばいいのか、分かんなくなった。



でも、浜本のことは、友達としか思えないし…


気まずくなるのは嫌だし…





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