美月~大切なあなたへ~
トイレでじゃれあっていると、

「あっ未来ちゃん、美緒ちゃん!あと一分で朝のホームルーム始まっちゃうよ!!」



トイレにいることに気付いてくれたクラスの子が、良い事を教えてくれた。



『後できちんと教えてね^-'』


「う゛……ん………」



私は念を押してからトイレのドアを開けた。



教室に近付いてくる日明先生発見!!


でもドキドキしてる場合じゃないし!!



先生より早く席に着かないと遅刻だぁ!!!



「急げーー!!」



みっちゃんが走り出した。

それに続いて走るけど、向こうもこっちに気付いた様子。



「あっ!お前ら!!トイレかぁ!?
長いトイレの奴等は、席に着けないってことで遅刻にすっぞ!!」



日明先生は既に私達より教室に近いとこにいたから、もうドアに手をかけている。



「待ってぇ!!」



みっちゃんが追いついて、日明先生の腕を掴んだ。


「遅刻じゃないです!!」



必死に訴えたみっちゃん。


息切れしてるし……


てか、日明先生の腕掴んでるし……


もやもや………



「ぶはっ!!面白すぎるぞ浜田ぁ!!」


日明先生が吹き出した!!


「遅刻にはしないから、早く教室入んなさい。」


優しく微笑んで、私の頭に手を置いた先生……



腕掴んでたのはみっちゃんなのに……



嬉しすぎる………






席に着くと、みっちゃんは、腕掴んじゃってごめんって謝ってきた。



ヤキモチ妬いてたのに気付いてくれてたんだ…。



ありがとみっちゃん♪





そんなこんなで、色々あった。



前にも、こんな風に、混乱させられることがあったっけなぁ…













――私は少し、過去を思い出した。









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