ご褒美は唇にちょうだい
「俺、鳥飼さんのファンなんです。ナマで演技を見られるの、ものすごく勉強になります」


あからさまな好意に操がわずかに眉をあげた。


「どうも、ありがとうございます。頑張ってきます」


綺麗に微笑んで見せる。それだけだ。

小鍛冶奏のマネージャーだろう、40代後半と思しき男性が慌てたように彼を引っ張っていく。
たしなめているのが見えた。

セットに入る操は、もういつもの集中しきった表情に戻っていた。

俺も操の仕事に注目する。
スタジオの片隅で彼女だけを視界に映す。

すると、横にススっと並び立つ者がいる。

小鍛冶奏だった。


「こんにちは、鳥飼さんのマネージャーさんですよね。小鍛冶と言います」


栗色のショート、精悍さと甘さが絶妙にミックスされた顔立ち。
身長は俺と同じくらいある。182~3センチってところか。
何より全身から発せられる明るいオーラ。
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