ご褒美は唇にちょうだい
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操とこうした関係になったのは、今から四年と少し前のことだ。
操の担当マネージャーになり、一年近くが経っていた。
大学に進学した操は、仕事と学業を両立していた。
彼女の両親が期待するような大学生らしい青春はやはりなく、学校と仕事場の往復が彼女の日常だった。
しかし、それなりに毎日は充実しているようで、出来上がったレジュメを見せてくれたり、基礎ゼミのクラスメートに学食の無料券をもらったなどの話も聞き、俺は安心していた。
そんな操が一転調子を崩した。
その夏は映画の撮影が入っていて、夏休みを利用して操は毎日方々でロケだった。
「操ちゃん、どうしたの?」
見学にきていた社長も驚いた顔。
操は集中しているもの、演技に精彩を欠いていた。
常に全力投球の操には珍しい事態だ。