ご褒美は唇にちょうだい
「あなたがここ数日浮かない顔をしているわけも察していますが」
「平気だから!」
遮るように言って立ち上がる。
レシートを持って、会計を済ませようとすると久さんがもう払ってあると手で制する。
そのいつもの手際に今は苛立ちながら、私は足早に店を出た。
道路を一本渡れば、撮影スタジオだ。
横断歩道がないので、車が途切れるのを待っていると、久さんが隣に並ぶ。
「頼ってくれていいんですが」
久さんが低い声で言う。私は彼を見上げ、睨んだ。
「いつまでも子どもじゃないの。本当に平気!放っておいて」
すると、久さんの手が私の肩に触れた。ぐいと引き寄せられる。
それは、わずかに車道に出ていた私を歩道に引き入れただけの行為。
傍から見れば、マネージャーの気遣いにしか見えないだろう。
しかし、私にはわかっていた。明確な意図をもって、久さんは私を抱き寄せたのだ。
証拠に、久さんは私の耳元にささやいた。
「それなら、そんな期待した顔するな」
「な……」
私は言葉を失い、慌てて久さんの身体を押しのける。
「平気だから!」
遮るように言って立ち上がる。
レシートを持って、会計を済ませようとすると久さんがもう払ってあると手で制する。
そのいつもの手際に今は苛立ちながら、私は足早に店を出た。
道路を一本渡れば、撮影スタジオだ。
横断歩道がないので、車が途切れるのを待っていると、久さんが隣に並ぶ。
「頼ってくれていいんですが」
久さんが低い声で言う。私は彼を見上げ、睨んだ。
「いつまでも子どもじゃないの。本当に平気!放っておいて」
すると、久さんの手が私の肩に触れた。ぐいと引き寄せられる。
それは、わずかに車道に出ていた私を歩道に引き入れただけの行為。
傍から見れば、マネージャーの気遣いにしか見えないだろう。
しかし、私にはわかっていた。明確な意図をもって、久さんは私を抱き寄せたのだ。
証拠に、久さんは私の耳元にささやいた。
「それなら、そんな期待した顔するな」
「な……」
私は言葉を失い、慌てて久さんの身体を押しのける。