Live as if you will die tomorrow
「誰と勘違いしてるかわかんないんだけど、俺先急ぐんで。」
「待っー」
一日の中で、一番寒い時間。
「っつ…」
俺を引き止めようと、伸ばされた細い両手を、反対に絡め取って、壁に押し付ける。
手にしていた荷物が落ちて、鍵の束もガチャガチャと賑やかに音を立てた。
「俺はあんたのこと、何とも思ってないから。あんまり煩いことしてくれるとー」
片手で両手を縛り、もう片方を、細くて白い首に持っていく。
「息の根、止めるよ?」
震え。
掌から、伝わってくる。
なんで。
アナタは、あの時のままなんだろうね。
周りは皆変わってしまったと言うのに。
この人だけは、白くて、綺麗なままだ。
どうして、変わらずに居られたんだろう。
焼けていく周囲から隔離された、野の百合のように。