Live as if you will die tomorrow



ー貴女は。



中の液体を一気に口に含むと、馴染みのきついアルコールと、白檀の香りがした。



ー貴女は消えて。




そのまま、まだ息の整わない彼女に。




ー俺を消して。




「ーーー!」




キスをする。






喉が焼け付くような。



苦蓬(アブサン)のキスを。




ー貴女の中から、俺を消して。




全てを流し込むと、目の前の彼女は意識を失って、その場に崩れ落ちた。






ー『貴女は僕等の疫病神なんです。』



漸く涙を止めた、彼女の細い身体を抱き止め、思い出すのは、いつか自分が彼女にぶつけた言葉。





「…本当は、気付いてたよ。」






どうして、外はこんなに寒いのに。


雨も、雪も、降ってくれないんだろう。


曇って、全てを覆い隠して、灰色。




憤ることも、泣くことも、許されないような、空気の色。




「貴女にとって、疫病神は俺達の方だと。」



この時、少しでも雪が散らついてくれたら。

雨が一滴でも頬に当たってくれたなら。




俺は、泣けたんだろうか。
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