Live as if you will die tomorrow
「今日も皆一段と別嬪さんだねぇ!」
一、二と数えて、崇のはべらせた女にうんざりしたのを、表情に出さないよう気を張った。
ーまた、今日はやけに賑やかなのが揃ったな。
グラスを磨きながら、豹、虎、ワニ、ウサギと、服であだ名を付けた。
毛皮かアニマル柄を纏う、けばけばした連中のどこがいいのか、崇の好みに首を傾げる。
崇は面倒な女は好まない。
カウンターに座った女だけじゃなく、空生目当ての客でも、片っ端から声を掛けるが、持って帰るのは後腐れのない、頭の足りない女ばっかりだ。
ー今日は誰が先に潰れるかな。
崇は、脳が麻痺してるんじゃないかっていう位、酔わない。
いつも酔ってるみたいな性格は別として。
一緒に飲んでると、周りがどんどん潰れていく。
勿論、崇の場合は、わざとそう仕向けてるんだけど。
時計を見れば、もうすぐ零時。
ー空生は今日も、来ないかー
やれやれ、と誰にも気付かれない程度に、肩を竦ませた。