Live as if you will die tomorrow
「だって他に思いつかねぇもん。」
独り言のつもりだったのだが、側にいた崇が何故か不貞腐れたように答える。
「正直、見てらんねぇよ。死に急いでるようにしか見えない。でも、誰もアイツに勝てない。なんであんなに強くなったんだか。」
そのまま、崇ははぁ、と大きく息を吐き、立ち上がった。
「とにかく、このままだと、ルナも目つけられるぞ。ただでさえマッポが警戒し始めてる。なんとかしなきゃ、その内やばいことになるよ。」
「ー何、どっか行くの?」
俺が訊くと、崇はまぁね、と頷いて、スタッフルームから消えた。
てっきりこのまま開店までいるのかと思っていた俺は、1人で煙ったい部屋に残される形になった。
「ー死に急ぐ…ねぇ」
横目で、紙袋に仕舞ってやった空生の制服を捉えつつ、呟く。
ーそうじゃない人間は、ここに居ないだろ。
崇に芽生えた親心、とでもいうべきか。
その変化に気付き、笑ってしまう。
「お前もだろ」
いつ死んでもいいと言ったのは、誰だったか。