mariage~酒と肴、それから恋~《2》
意識してることに気づかれないように、わざとそっけなく片付けを進めた。


その流れで、デスクの下に置いてたワインを取り出すと、百田は懐かしいものでも見るように微笑んだ。


「そのワイン買ってくれてんだな」


「ああ、うん。気づいた?このワイン気に入ってて」

百田に見えるようにラベルを向けた。


「気づいたっていうか、聞いてた。総務の小松とは、転勤中も連絡取り合ってたから。

佐藤が定期的に買ってくれてるって。俺が契約取った白ワイン」


二人してワインを見つめる。


「そうだったね。大口契約ゲットだって、百田すごい喜んでた」


「佐藤も一緒に喜んでくれたよな」


「そりゃあ、少しだけどさ、資料作成に関わったんだし」


「だな。佐藤には感謝してる」


顔見たら、百田は満面の笑顔をしてた。


百田が営業として、初めて取った大きな契約だった。


フランスの小さなワイナリーが醸造しているオーガニックでこだわってて、まだ日本に出回ってないワイン。

うちの会社だけじゃなく、他の会社も延々と交渉してた難関取引。


それを百田が取ってきた。
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