沈黙の境界線
所詮、どれほど言葉で私を心配しているように装ったとしても、私の気持ちなど知ろうともしていないのだ。
痕が残ると言われた傷口の心配ばかりして
本当に大怪我を負った場所を見ようともしない。
時間の流れとともに
心の傷は癒されたりなどしない。
癒されたと感じるのは
他人事のように私を見ているその目が節穴だからだろう・・・。
結局、私を学校に行かせたいのは不倫相手とおちおち会えないからに決まっている。
仕事脳のお父さんは全然気づいていないみたいだけれど
お母さんが私の通っていた塾の講師とただならぬ関係にある事など既に私は知っているんだ。
病院のベッドの上でただ単に泣いていたわけじゃない。
見舞いに来てくれた塾の講師とひとけの無い非常口のところで二人が抱き合っているのを見たのだ。