不良探偵
意識を保っている事はキツイのか。

我妻は程無くして、再び眠りについた。

「我妻ほどのタフさがあるから、何とか生き延びたんだろうな…普通なら死んでてもおかしくない…くそ、鏑木の野郎…」

歯噛みする巽。

「……」

耕介の拳は、握り締められたまま。

我妻とは、決して気心知れた仲ではない。

初対面の第一印象は最悪だった。

殴り合いの大乱闘を演じた。

今でも会う度に罵倒し合う。

好きか嫌いかで言えば、迷わず嫌いだと言える。

…なのに何故、こんなに我妻が傷つけられた事が悔しいのだろう。

< 134 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop