ナイショの恋人は副社長!?
香水ではないけれど、仄かに香る優しい匂いを感じながら、優子は重い瞼を閉じる。
素面であれば、敦志の言葉に甘えることなど出来やしなかっただろうが、今は酒の力で素直に寄りかかることが出来ていた。
「……不思議な子だな」
隣からスーッと寝息が聞こえてくると、敦志はそっとシートに寄りかかって「ふ」と笑う。
目下に見る優子は、あどけない寝顔でいた。
(控えめな性格なのかと思ってたら……意外な一面を見た)
優子の寝顔を見つめたまま、ヴォルフへの反論を思い出しては自然と笑いが零れる。
自分を含め、あの場にいた全員が不意打ちを食らったような顔をしていた。
そこまで回想すると、その後のヴォルフをも思い出す。
(別に、悪い男だと決まったわけじゃないが……安全だとも言い切れないし)
〝責任〟とう言葉を頭に浮かべ、もう一度、優子に視線を落とす。
敦志は、ヴォルフと優子を引き合わせたことを無意識に警戒し、後悔もしていた。