ナイショの恋人は副社長!?
*
それから小一時間経ち、接待もどうにか円満に終える。
優子は日本酒を口にしてからすでに酔っていて、意識はあるものの、ふわふわと夢心地でいた。
そんな最中、挨拶を終えた敦志が優子を率先して引き受けると、タクシーに乗り込んだ。
ヴォルフに食って掛かって以降、優子はいつもよりも陽気になり、饒舌になったりしていた。
それを見て、敦志は明らかに酒に酔っていることにようやく気づく。
それからは、極力飲ませないように配慮して、今、優子を家まで送り届けるところだった。
「お酒が苦手だったんですね」
「す……すみませ……」
タクシーが走り出すと、先程と違って寡黙になる優子を見た敦志が声を掛ける。
優子は目を閉じ、やや苦し気な表情で消え入る声を絞り出した。
「謝る必要はないです。むしろ、私の方が謝らなくては。大丈夫ですか? 初めは、顔にも出ないし、受け答えもしっかりしていたからてっきり……」
帰り際に水を購入していた敦志は、それを優子に差し出す。
心配そうに見つめられていることに、優子は申し訳なさが先立った。
差し出された水を受け取り、精一杯強がって青白い顔で笑顔を作ると、途切れ途切れに言葉を口にする。
「あは、は……。日頃から、鍛錬してるからですかね……。顔に出ないのは」
「もう気を遣う必要はありません。私に寄りかかっていいですから、寝ててください」
対向車のヘッドライトをメガネに反射させた敦志が、右手を優子の頭に回す。
そして、軽く引き寄せられた優子は、そのまま敦志の右肩にこめかみを乗せた。
(……いい匂い)
それから小一時間経ち、接待もどうにか円満に終える。
優子は日本酒を口にしてからすでに酔っていて、意識はあるものの、ふわふわと夢心地でいた。
そんな最中、挨拶を終えた敦志が優子を率先して引き受けると、タクシーに乗り込んだ。
ヴォルフに食って掛かって以降、優子はいつもよりも陽気になり、饒舌になったりしていた。
それを見て、敦志は明らかに酒に酔っていることにようやく気づく。
それからは、極力飲ませないように配慮して、今、優子を家まで送り届けるところだった。
「お酒が苦手だったんですね」
「す……すみませ……」
タクシーが走り出すと、先程と違って寡黙になる優子を見た敦志が声を掛ける。
優子は目を閉じ、やや苦し気な表情で消え入る声を絞り出した。
「謝る必要はないです。むしろ、私の方が謝らなくては。大丈夫ですか? 初めは、顔にも出ないし、受け答えもしっかりしていたからてっきり……」
帰り際に水を購入していた敦志は、それを優子に差し出す。
心配そうに見つめられていることに、優子は申し訳なさが先立った。
差し出された水を受け取り、精一杯強がって青白い顔で笑顔を作ると、途切れ途切れに言葉を口にする。
「あは、は……。日頃から、鍛錬してるからですかね……。顔に出ないのは」
「もう気を遣う必要はありません。私に寄りかかっていいですから、寝ててください」
対向車のヘッドライトをメガネに反射させた敦志が、右手を優子の頭に回す。
そして、軽く引き寄せられた優子は、そのまま敦志の右肩にこめかみを乗せた。
(……いい匂い)