過保護な彼に愛されすぎてます。
「結婚とかもさ、この仕事してれば世間に知らしめられるし。俺が有名になればなるほどデカい記事になるから、頑張ることにした。証人は多いほうがいいからね」
……まさか、それを念頭に入れてモデルなんてしてたんじゃ……。
そう思い黙ると、郁巳くんは安心させるように笑う。
「ああ、大丈夫だよ。奈央ちゃんには絶対苦労させないから。俺だって、いつまでも外で働いていて欲しくないし、結婚したらすぐに専業主婦になってもらう予定。
俺がガンガン稼ぐから、奈央ちゃんは安心して家で俺のこと待っててね」
色々とびっくりしただけで、別にそこを心配したわけじゃないんだけど……。
もうここまでくると、何も言うまいと思う。言っても無駄だ。
……ああ、でも。
「とりあえず、合い鍵は返して」
簡単に出入りされちゃ堪ったもんじゃない。
今まではともかく、付き合い始めてからは平気な顔して使うようになったから、そこはどうにかして欲しい。
「ええー」
「返してくれないなら鍵変える」
淡々と言うと、郁巳くんが「わかった。返すよ」と言う。
まだ納得いかなそうな声だった。
「でもどうせ俺、隙見てまた作っちゃうよ」
「え。なんでそういうこと平気な顔して言えるの?」
郁巳くんにあるだろう、なけなしの神経を疑うと、「だって、そこは譲れないし」とハッキリと言われる。
それから、呆れたような笑みを向けられた。
「もう、諦めなよ。奈央ちゃん」
黙ると、郁巳くんは笑みを優しく変え、手で私の頬を包む。
テーブルの上で、スマホが鳴る。
きっと、お母さんからの返信だろうって思って郁巳くんの手を軽く払い……そこで、さっき感じた引っ掛かりの正体に気付いた。