◆Woman blues◆
「僕が慰めてあげます、フラれたら。おんなじマンションで行き来が楽だし、朝までヤケ酒付き合いますよ」

そういって、フワリと微笑む。

ああ、良いかも。

なんだかこの王子様スマイルを見ていると、凄く和む。

「それに」

太一が一旦言葉を切って再び続けた。

「そんな中途半端な気分のまま、二十代女子が喜ぶ大人可愛いジュエリー、デザイン出来ないですよ?今の夢輝さんが手掛けるジュエリーより、明るく前向きな夢輝さんが作る方が絶対いいに決まってる」

そう言うと、またしても太一はフワリと笑った。

……ホントだよね。

ズルズル秋人とこうしていても、何も始まらない。

無意味な時間だけが過ぎていくのに、私ったら。

「分かった。私、振られてくるわ」

太一は私を見て頷いた。

「大丈夫ですよ、夢輝さんがフラれても地球が爆発するわけじゃないし」

分かってるよそんなの。

私はあと一口残っていたハイボールを飲み干すと、ゆっくり息を吐き出した。


◆◆◆◆◆◆◆

『話したいことがあるから出来るだけ早く時間作って』

ほんっとに惨めだけど、私は秋人にこうLINEして返事を待った。

電話には出てくれないと思ったから。

以外に早く返信を貰えて、私は少し眉をあげてスマホを見つめた。
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